経営者の変化し続ける覚悟

Business Plan
経営計画にゴールはない
計画を立てること自体が、最初のハードルだった

鑓水社長は、自身のことを「経営計画が得意なタイプではない」と率直に語る。
計画を立てるという行為そのものが、決して軽々しいものではないからだ。根拠ある数字を並べ、将来像を描き、言葉にした瞬間から「達成する責任」が生まれる。計画とは、自由になるための道具であると同時に、自分自身を縛る存在にもなる。そのプレッシャーが、計画づくりへの心理的なハードルを高くしてきた。
一方で、経営計画がなくても会社は日々動いていく。収益を上げることだけを考えれば、「計画がなくても何とかなる」と感じた場面もあったという。しかし、その感覚は長くは続かなかった。
売上の先に見えた「誰も付いてきていない」という違和感
経営計画の必要性を強く意識するきっかけとなったのは、社内の人間関係だった。
売上は伸びている。数字だけを見れば、経営は前に進んでいるように見える。それでも、ふと気がついたときに「この先に、社員は本当に付いてきているのだろうか」という感覚がよぎった。
数字の達成と、組織としての一体感は必ずしも一致しない。成果を上げているはずなのに、心の距離が広がっていくような違和感。その経験が、「収益を優先する経営」への限界を突きつけた。
経営計画は、単なる数字の管理表ではない。誰のために、どこへ向かうのかを示す“共通言語”でなければならない。その認識が、社長の中で次第に明確になっていった。
「社員のためのもの」という感覚と、伝わらない不安

ヤリミズ自動車にとって、経営計画は「社員のためのもの」だと社長は感じている。
会社の未来を描く以上、それは社長一人のものではなく、働く人たちと共有されるべきものだからだ。
しかし同時に、「本当に伝わるのだろうか」という不安は常につきまとう。言葉にした瞬間から、「言った以上、やらなければならない」という重圧がのしかかる。計画を掲げることは、覚悟を公にすることでもある。
だからこそ、経営計画は一人で完結させるものではないと考えている。本来は、みんなでつくるもの。しかし現状では、そこに至れていないという課題も、社長自身がはっきりと自覚している。
経営計画にゴールはないという考え方
転機となったのが、同友会の「指針をつくる会」だった。
人と対話しながら考えることで、自分の思考が整理されていく。その体験は、経営計画のあり方を大きく変えた。計画は完成させるものではなく、問い続けるものなのだと気づいたからだ。
現在の経営計画について、社長は「成長途中の過程」だと表現する。ゴールはない。なぜなら、経営そのものが常に変化し、追求し続けるものだからだ。少しずつ車内風土が良くなっていることは感じるものの、すぐにまた別の新しい課題が生まれる。しかしそれは成長している証ともとれる。
「自分一人で、深化した経営計画を考え、かつ社員に伝えきれる人は稀だと思う」。
だからこそ、外に出て、学び、対話する環境に身を置くことが必要だと語る。その過程で経営者自身が成長し、結果として組織も育っていく。
ヤリミズ自動車の経営計画は、
未完成であり続けること。その姿勢こそが、同社の経営計画の本質なのかもしれない。
ヤリミズ自動車
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